1. 債務の種類 人は、仕事をし、生活をしていく中で、借金等の債務を負う場合があります。借金には、例えば、住宅ローン、自動車ローン、奨学金債務、クレジットカードのキャッシング、消費者金融やヤミ金等からの借金、親族・友人・同僚等からの借金などがあります。借金以外の債務には、クレジットカードのショッピング利用時の立替金、後払いや分割払いで買った物(メルカリの商品、スマートフォンなど)の売買代金、未払いの税金・公共料金・家賃、自動車のリース料、交通事故の損害賠償債務、連帯保証債務などがあります。2. 収入の範囲内で生活するために では、債務が増えてしまい、返済が難しくなった場合にどうしたら良いでしょうか?一番重要なのは、債務の支払さえなければ生活できるといえる状態にすることです。そのためには、世帯全体の収入を増やし、世帯全体の支出を減らす必要があります。(1) 収入について 収入は簡単に増やせるものではありませんが、副収入を得るためにアルバイトをしてみたり、個人事業を営んでいる方であれば給与収入を安定して得るために就職してみたりすることが考えられます。どうしても収入を上げることが難しいという場合でも、生活保護を受ける要件を満たしているのであれば、生活保護を受給するという手段もあります。収入がある方や自宅をお持ちの方でも、要件を満たしていれば、生活保護の受給は可能です。厚生労働省のHP「生活保護制度」、「生活保護制度に関するQ&A」を見たり、福祉事務所に相談したりしてみてください。(2) 支出について 支出を減らすためには、まず浪費やギャンブルをやめてください。暗号資産(ビットコインなど)の売買、FX、バイナリーオプション取引なども、名目上は「投資」ですが、ギャンブルに近いものですから、やらないでください。生命保険や医療保険の整理・解約、携帯電話料金の見直し、交際費や外食費の縮減、ATM手数料等の無駄な出費の抑制なども行ってみてください。また、病気や怪我などの支出を伴う突発的な事態にも対応することができるように、一定の現金・預貯金を手元に残しておくようにしてください。収入よりも支出が多い状態で債務整理をしても、債務(借金等)の問題が解決することはありません。収入と支出のバランスが取れ、収入の範囲内で生活できるようになってから、債務の整理に着手してください。(債務整理の方法は、別コラム「債務整理の6つの方法」にて説明しています。)3. リボ払いはやめましょう! リボ払いを使っている方は、収入の範囲内で生活することができているとは言えません。リボ払いは金利が高く、支払残高が増えても毎月支払う額を増やさない定額方式の場合は、支払が長期化して手数料の総額も多くなりがちです。定額方式には、元金定額方式と元利定額方式の2種類あるのですが、毎月の支払額が同じになる元利定額方式は、特に危険です。「リボ払いシミュレーション」という単語でインターネットを検索すると、リボ払いをした場合の手数料や支払合計額を試算をすることができるクレジットカード会社等のサイトを簡単に見つけることができます。このようなサイトで試算すると、例えば、ゲーミングPC一式を25万円で買い、リボ払いで支払っていく場合、元金5000円ずつに加えて利息を毎月支払っていく元金定額方式であれば、実質年率は15%~18%、返済回数は50回、手数料は7万6624円~9万8550円、支払総額は32万6624円~34万8550円にもなることが分かります。また、元金と利息を合わせて5000円ずつ毎月支払っていく元利定額方式であれば、実質年率は15%~18%、返済回数は79回~94回、手数料は14万0950円~21万5458円、支払総額は39万0950円~46万5458円にもなってしまいます。返済条件次第では、7年10か月もの期間をかけて、元金25万円の約1.86倍にあたる46万5458円ものお金を返済しなければならないのです。債務の問題が深刻になる前に、支出を見直し、リボ払いの利用をやめることを強くお勧めします。4. 分割払いやリースも気を付けましょう! 物を購入する際に分割払いを利用したり、自動車をリースしたりしている方も、収入と支出のバランスが合っておらず、身の丈以上の生活をしてしまっている方が多いと言えます。沖縄は自動車がないと非常に不便ですから、自動車を購入しなければならない方も多いでしょう。その際には、リースをしたり、高額のローンを組んだりして高い車に乗るのではなく、身の丈に合った、現金で購入できる程度の比較的安価な車に乗るようにした方が良いでしょう。2022年4月11日