前のコラム「自動車保険のお勧めの特約(2) ~ 対物超過修理費用特約」の続きです。任意自動車保険(共済)に加入する主な目的は、交通事故の加害者になり、多額の損害賠償金を支払わなければならない場合に備えることですが、任意自動車保険に適切な特約を附帯することで、交通事故の被害者になってしまう場合にも一定程度備えることができます。この観点から、私が特にお薦めする任意自動車保険の特約は、人身傷害保険(特約)、無保険車傷害特約、弁護士費用特約の3つです。このコラムの前提も、別コラム「自動車保険のお勧めの特約(1) ~ 他車運転特約」の冒頭部分に記載したとおりです。損害保険会社及び共済組合9社(組合)をそれぞれA社~I社と呼んで、各社の2022年6月時点における個人向け任意自動車保険(共済)の約款の内容を説明しています。3. 人身傷害保険 任意自動車保険の特約の中でも、特に必要性・有用性が高いのが人身傷害保険(特約)です。ほとんどの保険会社が、基本となる補償という扱いのため、人身傷害保険とか、人身傷害補償保険と呼んでいます。(1) 特約の意義 人身傷害保険(特約)は、自動車事故により自ら又は同乗者が死傷した場合に、自らが契約した保険会社に、治療費、休業損害、精神的損害などの人身損害(人的損害)を補償してもらうための特約です。この保険(特約)は、加害者と被害者の過失の割合(「過失割合」といいます。※1)にかかわらず、契約(約款)に定められた基準に従って、保険金を支払ってくれます。※1 四輪車同士・単車同士以外の交通事故(自転車 対 歩行者、単車 対 自転車・歩行者、四輪車 対 単車・自転車・歩行者)の場合、被害者の過失分として損害賠償額から減額する割合(「過失相殺率」といいます。)が過失割合と異なってくることがありますが、本コラムでは、分かりやすさを重視して過失割合という単語で説明をしています。(2) 特約の必要性・有用性 ① 被害者(自分)の過失分に対する補償 人身傷害保険(特約)は、加害者(相手方)が損害賠償義務を負わない被害者(自分)の過失分を、自分の保険会社が補償してくれるというところに最大の特徴があります。では、運転に自信があり、「自分は運転がうまいから、自分に過失があるような交通事故は起こさない。交通事故に遭うとしたら、もらい事故だけだ。」と思っているような方に、人身傷害保険は不要なのでしょうか。実は、被害者に全く過失がない交通事故というのは、多くありません。原則として被害者に過失がないとされる交通事故の類型は、追突、センターラインオーバー、信号無視など、ごく一部だけです。皆さんが「もらい事故だ。自分は悪くない。自分は完全に被害者だ。」と思うような事案であっても、上記以外の交通事故の類型であれば、多くの場合、自分にも、ある程度の過失があると思ってください。被害者(自分)にも過失がある交通事故が発生した場合、加害者(相手方)は、被害者(自分)の過失分の損害を補償してくれません。自分の過失分の人身損害は、事前に人身傷害保険に加入して、自分でカバーしなければならないのです。なお、車両損害もカバーしたいのであれば、車両保険に加入する必要がありますが、一般論としては、車両保険よりも人身傷害保険を優先した方が良いでしょう。② 加害者(相手方)無保険の場合の補償 交通事故の加害者(相手方)が任意自動車保険や自賠責保険に加入していない場合、被害者は、加害者からその過失分の損害を賠償してもらえないことがほどんどですが、人身傷害保険に加入していれば、自分の保険会社が加害者の過失分の人身損害を補償してくれます。一定の場合は、次のコラム「自動車保険のお勧めの特約(4) ~ 無保険車傷害特約」でご説明する無保険車傷害特約の問題になるのですが、人身傷害保険でしかカバーできない部分もあるため、人身傷害保険への加入は必要と言えます。なお、今回調査した9社の人身傷害保険であれば、加害者が自賠責無保険の場合、加害者が賠償責任を負う人身損害のうちの自賠責部分も補償対象になります。別コラム「自動車保険のお勧めの特約(1) ~ 他車運転特約」の1.(4)及び(5)で他車運転特約についてご説明したような点(=保険会社によっては、自賠責部分について補償対象外と考えていること)は問題にならないということです。もっとも、加害者が自賠責無保険の場合、被害者は、自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償保障事業(「政府保障事業」といいます。)から給付を受けることができるので、人身傷害保険が自賠責部分を補償する意義は、政府保障事業よりも早く補償が受けられるという点にあることになります。以上は、自分が交通事故の被害者になった場合における人身傷害保険の必要性・有用性についてのご説明ですが、人身傷害保険は、加害者になってしまった場合に、更に役に立ちます。③ 加害者になった場合の自分の過失分の補償 加害者になってしまった場合、自分(加害者)の過失の方が相手方(被害者)の過失よりも大きい上、相手方(被害者)は、自分(加害者)の過失分の損害を補償してくれません。しかし、人身傷害保険は、過失割合にかかわらず、交通事故で死傷した人に保険金を支払ってくれるため、自分(加害者)の過失が大きくても、自分(加害者)の過失分の人身損害を補償してくれます。特に、不注意で、相手方が賠償責任を一切負わないような交通事故(例えば、赤信号をうっかり見落としたまま交差点に進入した場合やハンドル操作を少し誤ってセンターラインを踏み越えてしまった場合の交通事故)を起こしてしまうと、過失割合は相手方:自分=0:100となるため、相手方(被害者)の自賠責保険でさえ保険金を1円も支払ってくれません。このような交通事故の場合、自分及び同乗者(正確には、対人賠償責任保険の支払対象外となる契約者や運転者、それらの配偶者や同居親族等)の人身損害に対する補償は、その全額を自分が加入している人身傷害保険に頼るしかないのです。④ 過失割合に争いがある場合における速やかな補償 さらに、人身傷害保険に加入していると、過失割合について相手方と合意できない場合でも、過失割合の問題の解決(=示談の成立)を待つことなく、速やかに自分の保険会社から補償を受けることができます。⑤ まとめ 人身傷害保険は、自ら又は同乗者が死傷する自動車事故が発生した時に、多くの場合において役に立つ、必要性の高い保険です。人身損害を伴う自動車事故が発生した際に、人身傷害保険を使う必要がないのは、基本的に、「過失割合が自分:相手方=0:100となることに争いがなく、かつ、相手方が自賠責保険及び任意自動車保険(正確には、十分な保険金額の対人賠償責任保険)に加入している場合」のみです。弁護士として交通事故の相談を受けたり、事件を受任したりしていると、「人身傷害保険に加入しておいてもらえたら、より良い解決になったのに」とか、「別の解決方法があったのに」と思うことがよくあります。(3) 特約のセット 今回、電話等で個人向け任意自動車保険の商品内容を確認した損害保険会社9社のうち、人身傷害保険(特約)への加入を原則として必須(自動セット)にしている保険会社はA社、B社、C社、E社及びI社の5社、他の傷害保険(搭乗者傷害保険、傷害定額保険)か人身傷害保険のどちらかへの加入を必須にしている保険会社はF社、G社及びH社の3社、人身傷害保険への加入を任意(任意セット)にしている保険会社はD社1社でした。ただし、D社については、担当者の方が、法人向けの任意自動車保険の商品内容と混同して説明をした可能性がありそうです。(4) 保険金額は幾らに設定すべきか? 人身傷害保険(特約)は、加入することも重要ですが、人身傷害保険金の上限額(「保険金額」といいます。)を幾らに設定するかも非常に重要です。① 保険金額として設定されることが多い額 損害保険料率機構が公表している2021年度版「自動車保険の概況」128~129頁によれば、人身傷害保険は、保険金額を3000万円以下に設定している契約が最も多く(50.1%)、次いで3000万円超5000万円以下に設定している契約が多いようです(34.0%)。しかしながら、多くの人がそうしているからという理由で、人身傷害保険の保険金額を3000万円に設定すべきではありません。保険の目的は、稀にしか発生しないけれども、発生した場合には貯蓄などの他の対策ではカバーできないような多額の損失が生じるリスクに備えることです。このような保険の目的から考えると、人身傷害保険の保険金額は、3000万円では足りません。② 補償費目別の保険金の支払状況 対人賠償責任保険は99.6%の契約が保険金額を無制限に設定し、対物賠償責任保険は95.8%の契約が保険金額を無制限に設定しています(上記「自動車保険の概況」124~127頁)。これに対し、2020年度の支払1件あたりの保険金の支払額は、対人賠償責任保険は101万4398円、対物賠償責任保険は32万9959円、人身傷害保険は51万9165円でした(上記「自動車保険の概況」106~109頁。なお、保険金額別の契約比率、保険金の支払額に関する統計情報に限っては、自動車共済の情報は含まれていません。)。このように、保険金額が無制限に設定されることがほとんどの対物賠償責任保険よりも、保険金額が3000万円や5000万円に設定されることが多い人身傷害保険の方が保険金の平均支払額が高くなっています。人身傷害保険の保険金額上限まで支払われた事例がどの程度あるのかは公表されていませんが、対人・対物賠償責任保険のように、ほとんどの人身傷害保険の保険金額が無制限に設定されていれば、人身傷害保険の保険金の平均支払額は、より高額であったと思われます。③ 重い後遺障害事案に対する救済規定 今回、損害保険会社9社の約款を精査したところ、C社以外の8社の約款には、大要、交通事故により、最も重い部類の後遺障害を負い、かつ、介護が必要と認められる場合で、保険金額が無制限以外のときは、「支払限度額を無制限として、保険金を支払う」(A社、I社)「2億円を上限に、後遺障害の程度に応じて、保険金額の3倍又は2倍の額まで保険金を支払う」(G社)「保険金額の2倍の額まで保険金を支払う」(B社、D社、E社、H社)「2億円を上限に、保険金額の2倍の額まで保険金を支払う」(G社)との条項が定められていることが分かりました。契約時に設定した保険金額を超えて保険金を支払うという保険会社各社のこれらの条項は、かなり例外的な救済規定だと言えます。保険会社各社は、「運転者や同乗者が最も重い部類の後遺障害を負って、要介護状態となってしまうような事案の場合は、3000万円を支払うだけでは今後の生活を支えるには全く足りない。保険金額の設定を超えて、保険金として少なくとも6000万円は支払ってあげる必要がある。」と考えているのだと思います。このように、最も重い部類の後遺障害事案(例えば、両眼を失明した場合や、両眼の視力が0.02以下になった場合など)に対して、保険会社の多くは、約款に例外的な救済規定を定めています。しかしながら、死亡事案や、次に重い部類の後遺障害事案(例えば、1眼を失明して他眼の視力が0.02超0.06以下になった場合など)についての救済規定はありません。④ 後遺障害事案の実例 私が代理人として経験した未成年者の後遺障害事案では、後遺障害等級6級、過失割合(過失相殺率)が依頼者:相手方=70:30という条件で、人身傷害保険金の支払対象となる人身損害の額は、優に4000万円を超える計算になりました。もし、後遺障害等級がより重かったり(5級以上)、自らの過失がより大きかったり(7割超)すれば、人身損害の額は更に高額になります。⑤ 望ましい保険金額 ~ 3000万円では足りません! 以上ご説明した保険費目別の保険金の支払状況、重い後遺障害事案に対する救済規定、後遺障害事案の実例からも、人身傷害保険の保険金額を3000万円に設定してしまうと、いざという時(=稀にしか発生しない多額の損失が生じるリスクが実際に発生してしまった時)に十分な額の保険金を支払ってもらうことができないということがお分かりいただけるのではないかと思います。必要な保険金額は、運転者や同乗者の年齢、家族構成、年収、生命保険などの他の保険や公的年金でカバーできる部分がどの程度か等によっても変わってきますが、例えば、同乗の未成年者に重大な後遺障害が残ってしまうような交通事故の発生を想定するのであれば、自分の過失割合が高い場合でも、人身傷害保険から十分な額の補償を受けられるようにしておくべきでしょう。したがって、子供・若者が同乗又は運転する自動車であれば、人身傷害保険の保険金額は、できれば無制限(最低でも1億円)に設定しておいた方が良いでしょう。所得が高い方が運転又は同乗する自動車も、保険金額は無制限にしておいた方が良いでしょう。⑥ 保険金額別の保険料(掛金) 人身傷害保険の保険金額を無制限にしても、保険料(掛金)はさほど高くなりません。個人向け任意自動車保険の保険料は、年齢、等級、免許証の色、運転者家族・年齢限定の有無、住所(沖縄県の場合、沖縄料率が適用されて保険料が安くなります。)、車種などによっても変わってきますが、私の条件で、人身傷害保険の保険金額を3000万円に設定した場合と、より高い保険金額に設定した場合の損害保険会社9社の年間保険料の差額は、次の表のとおりでした。(保険会社によって人身傷害保険の補償内容は異なっているため、単純に比較をすることはできません。また、保険金額を細かく指定できない保険会社もあり、9社の平均値が出せない保険金額もあります。私の条件での見積りということも含め、参考程度とお考えください。)%3Cstyle%20type%3D%22text%2Fcss%22%3E%0A.tg%20%20%7Bborder-collapse%3Acollapse%3Bborder-spacing%3A0%3Bmargin%3A0px%20auto%3B%7D%0A.tg%20td%7Bborder-color%3Ablack%3Bborder-style%3Asolid%3Bborder-width%3A1px%3Bfont-family%3AArial%2C%20sans-serif%3Bfont-size%3A14px%3B%0A%20%20overflow%3Ahidden%3Bpadding%3A10px%205px%3Bword-break%3Anormal%3B%7D%0A.tg%20th%7Bborder-color%3Ablack%3Bborder-style%3Asolid%3Bborder-width%3A1px%3Bfont-family%3AArial%2C%20sans-serif%3Bfont-size%3A14px%3B%0A%20%20font-weight%3Anormal%3Boverflow%3Ahidden%3Bpadding%3A10px%205px%3Bword-break%3Anormal%3B%7D%0A.tg%20.tg-6mda%7Bbackground-color%3A%23ffedc1%3Bborder-color%3Ainherit%3Bcolor%3A%23333333%3Btext-align%3Aleft%3Bvertical-align%3Atop%7D%0A.tg%20.tg-a7lu%7Bbackground-color%3A%23ffedc1%3Bborder-color%3Ainherit%3Btext-align%3Aleft%3Bvertical-align%3Atop%7D%0A.tg%20.tg-0pky%7Bborder-color%3Ainherit%3Btext-align%3Aleft%3Bvertical-align%3Atop%7D%0A.tg%20.tg-c6of%7Bbackground-color%3A%23ffffff%3Bborder-color%3Ainherit%3Btext-align%3Aleft%3Bvertical-align%3Atop%7D%0A%3C%2Fstyle%3E%0A%3Ctable%20class%3D%22tg%22%3E%0A%3Cthead%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Cth%20class%3D%22tg-6mda%22%3E%E4%BF%9D%E9%99%BA%E9%87%91%E9%A1%8D%3C%2Fth%3E%0A%20%20%20%20%3Cth%20class%3D%22tg-a7lu%22%3E%E5%B9%B4%E9%96%93%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E3%81%AE%E5%B7%AE%E9%A1%8D%3Cbr%3E%E6%9C%80%E5%B0%8F%EF%BD%9E%E6%9C%80%E5%A4%A7%3C%2Fth%3E%0A%20%20%20%20%3Cth%20class%3D%22tg-a7lu%22%3E%E5%B9%B4%E9%96%93%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E3%81%AE%E5%B7%AE%E9%A1%8D%3Cbr%3E%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%80%A4%3C%2Fth%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%3C%2Fthead%3E%0A%3Ctbody%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E3000%E4%B8%87%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%EF%BC%88%E5%9F%BA%E6%BA%96%EF%BC%89%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%EF%BC%88%E5%9F%BA%E6%BA%96%EF%BC%89%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-c6of%22%3E5000%E4%B8%87%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%2B160%E5%86%86%EF%BD%9E%E3%80%80650%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E9%E7%A4%BE%E5%B9%B3%E5%9D%87%20%2B%E3%80%80403%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E1%E5%84%84%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%2B220%E5%86%86%EF%BD%9E2%2C400%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E9%E7%A4%BE%E5%B9%B3%E5%9D%87%20%2B1%2C398%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E2%E5%84%84%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%2B230%E5%86%86%EF%BD%9E5%2C140%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E8%E7%A4%BE%E5%B9%B3%E5%9D%87%20%2B2%2C873%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%20%20%3Ctr%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%E7%84%A1%E5%88%B6%E9%99%90%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E%2B250%E5%86%86%EF%BD%9E5%2C350%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%20%20%3Ctd%20class%3D%22tg-0pky%22%3E9%E7%A4%BE%E5%B9%B3%E5%9D%87%20%2B2%2C692%E5%86%86%3C%2Ftd%3E%0A%20%20%3C%2Ftr%3E%0A%3C%2Ftbody%3E%0A%3C%2Ftable%3E私の条件であれば、人身傷害保険の保険金額を3000万円から無制限に変更しても、年間保険料は最低で250円、9社平均で2,692円しか変わりません。年間2,692円の追加負担で、自動車事故で自らや同乗者が受傷し、時には1億円を超えるような人身損害が発生する事態に備えることができるのです。追加保険料さえ支払えば、契約期間中であっても人身傷害保険の保険金額は変更できます。保険金額を低く設定してしまっている方は、早めに変更するようにしてください。なお、人身傷害保険の保険金額を3000万円から無制限に変更すると、年間保険料が5,000円以上(沖縄県外であれば7,000円以上)高くなる任意保険もあるようですが、人身傷害保険の保険金額を無制限(最低でも1億円)に設定する必要性は低くありません。場合によっては、他の任意保険への乗換えも検討してみてください。(5) 人身傷害保険の特約 保険会社によって人身傷害保険の補償対象は異なっており、かつ、特約で補償対象を広げたり、狭くしたりすることができる保険会社もあります。例えば、私の人身傷害保険は、契約中の自動車に搭乗中に限らず、私や家族が歩行中に自動車事故に遭って怪我をした場合でも、保険金を支払ってくれます。人身傷害保険の特約については、別コラムでご説明します。(6) 人身傷害保険金の支払額を提示された時の注意点 自動車事故が発生して自分や同乗者が死傷し、人身傷害保険を使った場合、自分や同乗者の治療等が終了した後、保険会社は、人身傷害保険金の最終の支払額を提示してきます。このときは(特に後遺障害事案の場合は)、保険会社から提示された人身傷害保険金の額が適切かどうか確認するため、弁護士の法律相談を受けることをお勧めします。支払額提示の際、保険会社は、人身傷害保険の基準(約款)に従って人身傷害保険金を算出していると説明してきます。この説明を聞くと、保険金の額は定型的・機械的に算出され、保険会社が意図的に低くすることはできないし、また、他に受けられる補償もないと思ってしまいがちです。しかし、実際には、以下の4点をしっかりと確認する必要があります。これらの確認は、弁護士の中でも、人身傷害保険等に関して一定程度以上の知識を持つ者でない限り、難しいように思います。(後遺障害事案の場合は) 認定された後遺障害等級が適切か否か提示された人身傷害保険金の額が、その保険会社の人身傷害保険の基準(約款)に従って適切に算出されているか否か (特に、死亡事案や後遺障害事案における逸失利益の算出が適正に行われているか否か)(算出された人身損害の額が保険金額を上回る場合は) 他に使える人身傷害保険契約がないかどうか人身傷害保険金の受領とは別に、交通事故の相手方に対する損害賠償請求を行えるか否か次のコラム「自動車保険のお勧めの特約(4) ~ 無保険車傷害特約」に続きます。2022年7月21日(2022年8月30日一部訂正)